"Ein wirklicher Meister kann nur einer sein, der sich einer Sache mit ganzer Kraft und Seele hingibt."
 - Albert Einstein

　「本当の職人になれるのは、一つのことに持てる限りの力と精神を注ぐ者だけだ。」

　誰もがご存知、アルベルト・アインシュタインの言葉。限られた時間や力を、たった一つのことに傾注する。そうすることで、職人として何か一つのことを極めることができると言っています。

　とくに若いうちは、時間も自分の力もまだまだいくらでもあり、何でもできるような気がするものです。かと思えば、何かに失敗して、自分には何もできないような無力感に教われることもあります。

　

"Wer etwas Großes will, der muss sich zu beschränken wissen. Wer dagegen alles will, der will in der Tat nichts und bringt es zu nichts."

 - Georg Wilhelm Friedrich Hegel

　「大きなことを望むなら、自らに制限をかけることを学ばなければならない。

 全てを望む者は、実際には何も望んでいないのと同じで、何も成し遂げられない。」

　これは、ドイツの哲学者ヘーゲルの残した言葉です。「何でもできる」と、あまりにも多くのことを同時にしようとすると、結局はなにも達成できずに終わってしまう。

　

　一点集中で月まで届く

　

　『ワン・シング　一点集中がもたらす驚きの効果』という本の中では、一つのことに集中することの効果が、ドミノ倒しに例えてられています。

　”適切な一つのものを動かすと、多くのものを倒すことができる。”

　

　高さ５センチのドミノを１つ目として２つ目以降を1,5倍ずつ大きくしていきます。すると、８個目で子ども背丈ほどの高さになります。このドミノがさらに続いていくと考えてみてください。

　２３番目のドミノはエッフェル塔よりも高く、世界一高い山エヴェレストも32個目で超えてしまいます。５７番目には、なんと月まで届いてしまう計算になるそうです。

　適切な一つ目のドミノを押せば、その勢いでより多くの、大きなドミノを倒すことができる。自分の周りのいろんな場所でバラバラにドミノを並べるよりも、一つのドミノに集中することで、はるかに大きな力を生み出せるのです。

　
　

　最初のドミノを見つけたら、全力で倒す

　では、どうすれば、そのとき自分がやるべき”一つのこと”を見極めることができるのでしょう。まずは、

　”それをすることで、他のすべてがもっと容易になるか不必要になるような。私ができる「一つのこと」は何か？”

　と自問する。

　”そして答えがわかっても、そのつながりが見え、すべてのドミノが一列に並ぶまでさらに問い続ける。”

　人生は、何でもできるほど長くはありません。自分の可能性を絞り込むために自問しつづけ、集中すべき「一つのこと」を見つけたら、全身全霊をかけてそれに取り組む。一つのことを極める職人だけでなく、各分野で輝きを放つのは、諦めずに自分が倒すべきドミノを探し求めた人。

　ただ、目の前の一つのことに集中しさえすればいいというわけではないと僕は思います。

　本当に倒すべきドミノを見つけるためには、できるだけ多くのドミノを探さなければいけない。最初の一つを倒すために、考え得るかぎりの選択肢を比べる。そして、「これだ」と思える一つを見つけたら、そのドミノを100％の力で倒す。

　人生という大きな枠だけではなく、僕たちは日々、様々な選択をしています。

　一度に多くのことに手を出してしまうと、何もできないまま、あっという間に一日が過ぎてしまう。