「何の成果もない一年を送りたくなければ、時機を逃さず始めないといけない。」＜ゲーテの名言＞

Wenn ein Jahr nicht leer verlaufen soll, muß man beizeiten anfangen. 

 - Johann Wolfgang von Goethe

　何の成果もない一年を送りたくなければ、時機を逃さず始めないといけない。

　いきなり日本語でない言葉が出てきて、戸惑った人もいるかもしれません。これは、作家・詩人のヨハン・ヴォルフガング・ゲーテの言葉です。数多くの作品や名言を残しているドイツ人。名前を知っている、いくつか作品を読んだという人も多いかと思います。

　ゲーテを追いかけて、というわけではないですが、実は今僕はドイツに住んでいます。今年の四月に渡独してきました。自己紹介も兼ねて、簡単にその経緯を説明したいと思います。

　大学三年時、就職活動の開始と同時に、僕の迷いの日々が始まりました。大学生活を振り返ってみると、どこにでもいるごく普通の学生の一人でした。専攻であるドイツ語を学び、サッカー場や喫茶店でのアルバイトで生活費を賄い、休みの日には街を散策する。趣味といえば、読書・映画・音楽。単位が足りずに留年することはありませんでしたが、具体的な目標に向かうわけでも、ボランティア活動に参加するわけでもなく、ドイツ語の勉強は単純に好きでしたが、長期留学をして海外での経験を積むこともせず、そうして気がつけば３年という月日が流れていました。

　就職活動が始まってようやく、将来の自分の姿について、また、社会に出て働くということについて考えるようになりました。「自分のやりたいことは？」「働くってどういうこと？」何度自問したかわかりません。答えが明確にならないまま周りに流されるように、スーツに革靴という格好で歩き回る日々。将来を考えることもせず、その時々の気分や感情で過ごした三年間を後悔もしました。悩みに悩んだ末にたどり着いた答えが「ドイツに渡る」。誰かの目にとまるような成果や実績は持っていないけど、ドイツ語の力は人並み以上にはある。これを伸ばし、日本とドイツという二つの遠く離れた国の架け橋的な存在になろう。そう心に決めてからは、ひたすら情報を集め、2014年末偶然にインターネットで見つけたインターンシッププログラムに応募、四月からドイツのフランクフルトで暮らしています。

　こんないきさつで始まったドイツ生活も、約3ヶ月が過ぎたことになります。就職活動の壁にぶつかったときに感じた後悔の念。ドイツに渡ると決心したときの志。意識していないと、少しずつ心の中で燃える炎は弱まってしまうものです。このブログを始めた理由もここにあります。文章にして記すことで、一日一日を大切にしたい。僕の心に響く名言や言葉を、誰かの心のも響かせたい。偶然に、勉強してきたドイツ語を生かして、本来なら出会えなかったであろう人たちにも届けたい。こういう思いを込めて、ブログを立ち上げたのです。

　ここでようやく、最初に引用したゲーテの言葉に戻りたいと思います。

　一年というのは、長いようで短く、気をつけていないとあっという間に終わりを迎えてしまいます。新年の目標の大半は、手をつけられることもないまま忘れ去られてしまうのではないでしょうか。僕自身、ドイツ生活が始まったらブログを書こうと思っていたことを、忘れていたわけではないにしろ、後回し後回しにした結果、三ヶ月経ってしまいました。ですが、このゲーテの言葉と出会って、思い切って始めようと重い腰をあげることにしたのです。何事も始めなければ、それがどんなものかは分かりません。

　2015年も、折り返し地点を迎えました。年始に立てた目標がある人は、一度立ち止まって進行度を確かめてみませんか？始めようと思いつつ、まだ手をつけられていない目標がある人も、今なら間に合います。

　成果のない残りの半年を送りたくなければ、今、思い切って始めましょう！

　なかなか文章がまとまりませんが、今回はこのあたりで。この記事の中の言葉が、誰かの心に届いてくれれば嬉しいです。